やりとりしている相手から「二人の将来のために投資しよう」「会いに行く旅費を送って」と言われた。好意があると、断ることで関係が終わるのも不安になるかもしれません。それでも、送金の操作を進める前に、相手との会話から離れて相談してください。
警察庁は、実際に会ったことがない相手から、投資や旅費などの名目でお金を求められた場合に注意し、振り込む前に相談するよう案内しています。出典:警察庁「SNS型ロマンス詐欺」
この記事では、公式案内と、相談するための準備例を分けてまとめます。例文や相談メモは架空です。差し迫った危険があり緊急の対応が必要な場合は110番へ連絡してください。緊急ではない警察への相談は、最寄りの警察署や#9110が案内されています。出典:警察庁の相談窓口案内
まず止めるのは、送金・追加の支払い・新しい約束
相手から金額や支払先が届いていても、その場で支払いを済ませる必要はありません。「今日中でないと困る」と言われた場合も、相手の指定した期限に合わせて判断せず、相談する時間を取ります。
特に、次のような話が出ていないかを確認します。
- 将来の生活や結婚を理由に、投資用のお金を求められた。
- 会いに来る旅費や、荷物を受け取る手数料を頼まれた。
- 投資で利益が出たと言われ、さらに大きな金額を勧められた。
- お金を引き出すために、別の手数料や保証金が必要だと言われた。
これらは警察庁や国民生活センターが注意喚起している手口に含まれます。国民生活センターは、少額の出金ができた後に高額の送金を求められる流れも紹介しています。「一度引き出せた」ということだけで、次の送金へ進まないでください。出典:国民生活センター「ロマンス投資詐欺」
返事をするなら、送金しないことを短く伝える
次は、まだ返事をする余裕がある場合の架空の文面です。相手を説得したり、詐欺だと認めさせたりするための文章ではありません。
お金の送金や、紹介された投資への申し込みはしません。今はやりとりを止めて、相談先へ確認します。
理由を聞かれても、自分の残高や借入れの状況を説明して断る必要はありません。「少額ならよい」「口座を作るだけならよい」と条件を変えながら交渉を続けず、いったん手を止めます。相手からの返事を待つために、相談を後回しにしないようにしてください。
怖いと感じる場合は、返事を書くことを優先しなくて構いません。連絡を終える文面の一般例は今後のやりとりを断るときの伝え方にもありますが、金銭要求や脅しがあるときは、自分だけで会話を収めようとせず相談先へつなげます。
相談メモは、「いつ・何を求められたか」から作る
次の項目を、手元で分かる範囲だけ整理する方法があります。全て埋めるまで相談を待つためのリストではありません。危険を感じるときは、記録の作成より自分の安全を優先してください。
- 出会ったサービスと、相手の表示名。
- 連絡を始めた時期と、別の連絡先へ移ったかどうか。
- お金を求められた日時、理由、金額。
- 案内されたサイトのURLや、送金先として伝えられた情報。
- すでに支払った場合は、日時、方法、金額。
- 相手に渡した情報や、これから求められていること。
相談メモの例:マッチングアプリで知り合い、別のメッセージアプリへ移りました。まだ会ったことはありません。昨日、投資のために5万円を送るよう言われました。送金はしていません。紹介されたURLと、金額を求められたメッセージが残っています。
これは架空の整理例です。実際のメッセージや支払い履歴が手元にあれば、相談時に確認できるようにしておきます。この記事の問い合わせ窓口やSNSへ、口座番号や本人確認書類を公開・送付する必要はありません。
相談先は、いま起きていることに合わせて選ぶ
送金を求められ、不審に感じている
警察相談専用電話の#9110、または最寄りの警察署へ相談できます。緊急の事件・事故は110番です。電話番号の使い分けは、警察庁の窓口案内で確認できます。
契約や支払いのトラブルを相談したい
消費者ホットラインの188は、地域の消費生活センターなどを案内する番号です。国民生活センターは、マッチングアプリなどを通じた投資のトラブルでも相談するよう案内しています。出典:国民生活センターの相談案内
「詐欺だと断定できていない」「まだ払っていない」という段階でも、相手から何を求められているかを伝えて相談します。相談先が決まったら、前の節のメモを見ながら、まず現在の用件から話せます。
すでに送金した・情報を渡した場合
払ったお金を戻す条件として、さらに費用を求められても、追加で支払う前に相談してください。金融庁は、投資後にだまされたと思う場合は警察へ、返金等については消費生活センターなどへ相談するよう案内しています。口座情報やカード情報を渡した場合には、取引先の金融機関やカード会社への連絡も案内しています。出典:金融庁「投資詐欺等に関する相談事例とアドバイス」
連絡先を探すときは、相手から届いた窓口だけに頼らず、自分が利用している金融機関などの公式案内から確かめます。返金や口座の対応がどうなるかは個別の事情によるため、この記事で結果を約束することはできません。
サービスへの報告と、外部への相談を分けて進める
利用しているアプリに通報や問い合わせの案内があれば、その手順を確認します。「相手を報告したので支払ったお金も戻る」と考えず、警察や消費生活センターへの相談は別に進めます。
報告欄には、確認できた事実を書きます。例えば「投資を勧められ、送金先と金額がメッセージで届いた」のように、求められた内容を示します。相手の国籍や職業を推測して、危険かどうかを判断する文章にはしません。
「取り戻せる」と近づく別の相手にも、その場で払わない
金融庁は、被害回復をうたって接近してくる者から、さらに被害に遭う事例についても注意喚起しています。出典:金融庁の二次被害に関する注意
誰かに相談した直後に、別のSNSアカウントから「先に手数料を払えば回収できる」と連絡が来ても、その場で支払わず、すでに相談した公的窓口へ確認してください。早く片付けたい気持ちと、いま新しい支払いをするかどうかは分けて考えます。
安全上の心配がない通常の会話で、どこまで個人情報を伝えるか迷う場合は、仕事や勤務先の伝え方も参考にできます。金銭要求が出ているときは、プロフィールの書き直しより先に、現在の要求への対応を相談してください。
